この話は、禅僧ティクナットハンからの影響も大きい。彼は、「サンガ」(実践するコミュニティ)をものすごく強調して、生涯をかけてプラムビレッジと呼ばれる「サンガ」を育んだ。
本記事の前編はここ:【GREENZの記事】『5人目のお坊さん』から、問題の本質をつかみ、根本から変えるために重要なことを学ぶ。
*前編を読んだ方が意味があるよ
ハロー! ソーヤー海だよ。前回はどうやったら社会を変えられるかを考えるために、「5人のお坊さん」のお話を紹介した。
4人のお坊さんがやったことはどれも大事だけど、5人目のお坊さんは一体何をしたのか。みんなで考えていきたい。前回までの話をもう少しわかりやすくするために、それぞれのお坊さんの行動を、いじめと医療現場に置き換えた、こんな表がある。(出典元)
下流=末端で起きている問題は一番目につきやすいし、アプローチすれば短期的な結果も出るから、みんなすごくエネルギーをかけるんだ。この物語をつくった慈善活動家・Tom Callananが言うには、1人目と2人目のお坊さんには慈善活動家たちの全体の資源のうち70%が投資されるけど、3人目には20%、4人目には9%、5人目に至っては1%しか投資されないらしい。
もうひとつ、投資できる資源に限りがある場合、どこに投資したら一番効果があるかという考え方がある(「レバレッジ」が高い・低い、という言い方をする)
言ってみれば1人目のお坊さんは世界中のいじめられている子を保護しようとしたわけだけど、それは途方に暮れるほど大変な作業だよね。
もちろん、それは無意味ではない。
でも同じ量の資源をもっと根本的な部分に向けたら、どうなるだろう?
そう考えたのが2人目以降のお坊さんで、そしておそらく一番レバレッジが高いのが、5人目のお坊さんなんだ。
5人目の取り組みは明確じゃないし、結果もすぐに出ないし、一般社会の文脈ではあまり理解されない。だから問題の一番上流にある根源的な部分に気づいている人も、そこに投資される時間やお金や研究のような資源も、圧倒的に少ない。でもその結果、僕たちはずっと同じような問題を抱えているんじゃないかな。(例えば、性暴力、貧困、環境破壊とか)
じゃあその5人目のお坊さんは一体何かというと……