【人新世】人類が直面しているエネルギー危機の全体像(システム思考)後編
グラフィックは、国連大学ウェブマガジンOur Worldに投稿されているピークオイルから 低エネルギー化へという記事より 前編をまだ読んでない方は、そっちから読むことをオススメ(ここ) 英語が読める人は、元の文がオススメ(ここ) 重要な専門用語(参考になりそうなリンクを貼ってみた) Big Picture ここでは、全体像って訳している。システム思考的に長い時間軸で全体像を捉える。 Collapse 文明崩壊/システム崩壊。ジャレド・ダイアモンドの『文明崩壊 – 滅亡と存続の命運を分けるもの –』が大きな影響になっている Denial 現実否定・否認。心理学からきている用語。 Resilience レジリアンス。心理学、生態学、システム思考で使われている用語。 史上最大の危機に向かっていると気づくのが難しい理由 これは、あらゆる文明の適応サイクルの保全段階の終盤に起こる典型的な現象です。 発生するそれぞれの問題は、それ自体で考えれば、少なくとも原則としては、通常は解決可能です。 しかし、問題が積み重なるにつれて、現状に慣れている(そしてそこから利益を得ている)リーダーたちは、憂慮すべき傾向に対処するために必要となるシステムや運営の変更に取り組むことにますます消極的になります。それらの傾向が無視されるにつれて、それらを逆転させるために必要な努力と不快感のレベルは急上昇します。問題を解決するためにあまりにも多くの犠牲が必要になると、問題に対処する唯一の現実的な方法は、問題の存在を否定するか、他人のせいにすることです。他人のせいにする利点は、リーダーが実際に何かをしているかのように見せることができ、フォロワーからの忠誠心を獲得できます。しかし、それは実際には雪だるま式に拡大する危機を防ぐことには何の役にも立ちません。 問題を解決するためにあまりにも多くの犠牲が必要になると、問題に対処する唯一の現実的な方法は、問題の存在を否定する(Denial)か、他人のせいにすることです。 エリート層が現実を捉えられなくなり、差し迫った崩壊の兆候を見逃す可能性があることは簡単にわかります。 しかし、なぜ他の人も追従するのでしょうか? 神経科学における最近の発見は、私たちのほとんどが持続不可能な道を進んでいることを理解することがなぜ難しいのかを説明するのに役立ちます。 私たち人間には、何かを決める際に、将来の脅威や機会よりも現在の脅威や機会を重視する、生まれながらに持っている傾向があります。 これは”discounting the future”(未来軽視?未来のことよりも今を優先すること)と呼ばれ、気候変動のような将来の巨大なリスクを解決するために今犠牲を払う事が困難になります。 たとえば、別の国で休暇を過ごすという目先のご褒美は、航空便による温室効果ガスの排出量に関する私たちの懸念を周縁化する可能性があります。 この一例のdiscounting the futureの傾向と、気候への影響を伴う何十億もの人の個別の選択を掛け合わせると、温室効果ガスの総排出量を実際に削減することがなぜ難しいのかがわかります。 私たち人間は、目新しいものに反応するようにできており、環境内で異質または予期せぬもの、そして潜在的な脅威や報酬を示す可能性のあるものに気づくようになっています。…