気になったニュースシリーズを通して、一般メディアであまり扱われない気候危機の深刻な問題をシェア
トップイメージは、Atlantic Fellows ”Addressing climate change in a post Covid-19 world”より
POINT!
・女性への暴力が、気候危機による精神的ストレスや経済的ストレスにより増加している
・暑さは、抑制力を低下させ、攻撃性を高め、精神疾患を悪化させる
・グローバル食糧システムの崩壊
・気候危機や災難を解決できないのは、プルトクラシー(金権主義)
僕の重要だと思っている前提としては、
→ 気候危機の問題が過激化/加速化している
→ 今後も、どんどん過激化/加速化する
→ 裕福な人や人達(個人、所得層、組織、国)ほど、お金のバッファーがあるから深刻さに気付きにいくい傾向がある
→ 裕福な人や人達ほど、気候危機への悪影響が大きい傾向がある(ビジネスや消費生活面)、そして効果的な気候変動対策に抵抗する(PR、裁判、政治を通して)
→ 裕福な人や人達ほど、政治的/社会的影響力があるから、解決に進みにくい
→ 気候危機の悪影響をスケールアップしているのは人間(気候危機はおそらく止められないけど、悪影響は減らせる)
→ 気候危機は、今までにない経済的な圧力を市民、ビジネス、政府にかけ続けていき、経済破綻が相次ぐ(例えば、災害の対応と復興のコストがどんどん上がっている)
→ 【気候危機は症状】
バブル崩壊も原発事故も戦争も、人工的に作られた危機(自然現象ではない)。
→ 【複合的危機】
気候危機と共に、複数の複雑な問題が僕たちの生活や社会に圧力をかけている(例えば、ピークオイルとエネルギー資源の奪い合い、過激化する貧富の差、環境破壊と生態系の崩壊、SNSによる言動の過激化、トラウマとメンタルヘルスの低下、流行る武装化、AIなど)
根源的な問題は、自然との分離、パトリアルキー/弱肉強食思想(資本主義の土台)、常態化したトラウマだと思っている。
*弱肉強食は自然の摂理ではなく、一部の男性たちが宣教してきた「流行りの思想」。強弱は人間の概念に過ぎない。
森の王様ライオンが飲んだ水に生息していた大腸菌によって病死し、ハエのウジムシに食べられて、そのウジムシを鳥が食べ、その鳥が強風で木に当たって死んでアリに食べられた場合、誰が一番強いとなるのか?
前置きはここまで、let’s get into the news and opinions!
以下は、記事の一部をDeepLと僕が翻訳したもの
Climate crisis linked to rising domestic violence in south Asia, study finds
気候危機が南アジアにおける家庭内暴力の増加と関連しているとの研究結果
年間平均気温が1℃上昇すると、身体的・性的な家庭内暴力が6%以上増加する。
By The Guardian Tess McClure and Amrit Dhillon in New Delhi
この研究の共著者であるイェール大学のミシェル・ベル教授(環境衛生学)は、「気温の上昇が暴力のリスクに影響する経路は、生理学的、社会学的に多くの可能性がある」と述べた。猛暑は農作物の不作を招き、インフラを破壊し、経済を疲弊させ、人々を屋内に閉じ込めて働けなくする。研究者たちは、すべての所得層で暑さによる暴力の増加が見られたが、最も増加したのは低所得層と農村部の世帯であることを発見した。
ある女性はガルギを通して、5月から6月にかけての猛暑で夫が畑仕事ができなくなると、唯一の収入源を失うことになると語った。「夫が怒り出すのは、子どもたちを養えないという無力感からです。イライラが募り、子どもたちが泣きわめいたりケンカをしたりすると、私に八つ当たりするんです。子どもたちも殴ります。後で子どもたちを叩いたことを後悔するのですが、次の日、まだ外に出て稼ぐことができないと、また同じことをするのです」。
上海の復旦大学によるこの研究は、気温の上昇が、特に女性にとって、より暴力的な世界に拍車をかける可能性があることを示す、増えつつある研究成果に加わるものである。マドリッドで行われた以前の研究では、熱波に見舞われた場合、親密なパートナーによる女性殺害のリスクは40%上昇し、ケニアでは、熱波を含む悪天候を経験した女性は、親密なパートナーからの暴力を報告する確率が60%高かった。世界的なデータを照合した研究によると、気温が上昇すると、対人暴力のリスクは2.3%、集団間対立のリスクは13.2%増加した。
社会的、経済的要因だけでなく、暑さは人体にも作用する。「極端な暑さがストレスに影響し、抑制力を低下させ、攻撃性を高め、精神疾患を悪化させるという証拠が増えつつあります」とベルは言う。過去の研究では、急性の暑さにさらされるとアドレナリンの分泌が増加し、攻撃性が高まったり、感情調節に関連する脳領域が活性化したりすることがわかっている。また、熱波は不安や心的外傷後ストレス障害などの精神疾患の悪化にも関係している。
With our food systems on the verge of collapse, it’s the plutocrats v life on Earth
崩壊の危機に瀕する食糧システム、それは 富豪 対 地球上の生命
気候の崩壊と農作物の損失は私たちの生存を脅かすが、超富裕層は巧妙な方法で現状を維持を続けている。
By The Guardian George Monbiot
すでに、地域的な気候ショックは、世界的な慢性飢餓の傾向の悲惨な逆転を引き起こしている。何年もの間、飢餓人口は減少していた。しかし、2015年にトレンドは転換し、それ以来上昇に転じている。これは食糧不足が原因ではない。最も可能性の高い説明は、世界の食料システムがレジリアンス(回復力)を失ったことである。複雑なシステムがレジリアンスを失うと、それを襲う衝撃を和らげるどころか、増幅させる傾向がある。これまでのところ、システム全体で増幅されたショックは、輸入に依存する貧しい国々に最も重くのしかかり、世界的な食料価格が低水準であったとしても、その地域の価格高騰を引き起こしている。
穀倉地帯におけるflash droughts「瞬間干ばつ」の頻度上昇と熱波の同時発生がもたらす影響や、世界的な温暖化が食料安全保障に与える影響などである。いずれもメディアはほとんど、あるいはまったく無視している。
環境破壊と食糧システムの破綻という、おそらくは2大存亡の危機が、一方が他方を誘発する形で収束するというのだ。
イギリスの国会へのプレゼンテーションをした際、2008年に金融セクターを破綻させたのと同じような構造的理由から、世界の食料システムは転換点からそう遠くないかもしれないと緊急性を訴えた。システムが臨界点に近づくにつれ、どのような外的ショックがそれを押し上げるかを言い当てることは不可能になる。いったんシステムが脆弱になり、その回復力が回復しなければ、システムの崩壊は「もしかしたら」「どのように」ではなく、「いつ」の問題なのである。
では、なぜこのことが一面を飾らないのだろうか?私たちが存亡の危機に直面していることを知っていながら、なぜ政府は行動を起こさないのか?
根本的な問題を理解するのは難しくない。経済学者トマ・ピケティが言うところ、政府は富の蓄積の家産スパイラルを断ち切ることができなかった。その結果、富裕層はますます豊かになり、そのプロセスは加速しているように見える。例えば2021年には、超富裕層が世界の新たな富のほぼ3分の2を占めた。国民所得に占める割合は、英国では1980年からほぼ倍増し、米国では1820年よりも高くなっている。
社会の一部分が豊かになればなるほど、その政治力は大きくなり、その要求も過激になる。
超富裕層が望んでいるのは、現在の地位を築いた経済システムを維持し、拡大することだ。失うものが大きければ大きいほど、彼らの戦略はよりクリエイティブになる。メディアを買収し、自分たちに有利な政党に資金を注ぎ込むという従来のやり方だけでなく、自分たちの利益を守るための新しい方法を考案する。
巨万の富を持つ企業やオリガルヒは、必要なだけジャンクタンク(偽シンクタンク)やトロールファーム、マーケティングの達人、心理学者、マイクロターゲッターを雇い、正当な理由を考案し、居住可能な地球を守ろうとする人々を悪者にし、士気を失わせ、苛ませ、脅す。ジャンクタンクは、抗議を抑圧するための新しい法律を考案して、同じ富裕層から資金提供を受けている政治家たちによって実行される。
数十年後、自分の子供たちにこの事態を説明しようとすることを想像できるだろうか?
人類の過去の災難を振り返ると、「なぜ彼らは。。。」と聞きたくなる。その答えは権力である。人類の利益に逆らう少数の権力である。システム不全を回避するための闘いは、民主主義とプルトクラシー(金権主義)の闘いである。