【平和、非暴力、愛】についての学びと気づき。子育て、ガンジー、戦争など

2023年は、より深く平和について考えさせられた年となった。

みんなはどう?

*Picture from Staff Sgt. Jamal Sutter Via Wikimedia Commons. CC0 Public Domain.

二人目の子供が産まれ(赤ちゃんや子供は僕の大先生)、気候の変動がより厳しく感じられ(猛暑)、それと共に石油産業は爆発的な収益があり、世界中の政府は石油産業や石油国家(サウジアラビアの独裁政権など)を優遇する姿勢を強化している。環境デモや活動を厳しく罰する法律も欧米の国会で通されているようだ。

プーチン政権によるウクライナの侵略戦争が2年目に突入、ハマスとイスラエルの殺し合いが過激化、ハイチでは大統領が暗殺されて国がギャングに乗っ取られ、ミャンマー、エチオピア、スーダン、シリア、イエメンなどは内戦状態。アフガニスタンやイランでは、女性への想像を絶する厳しい弾圧が続いていて、アメリカでは警察や市民による射殺事件が日常茶飯事。難民もどんどん増えていて、難民に対する暴力的な政策と行為も増しているようだ。

POLYCRISIS ポリクライシス

エコバーシティギャザリングで、ミャンマーから亡命している民主主義教育活動家の若い女性と出会った。自分の身の危険と家族に迷惑をかけないようにと、タイ王国に逃亡していた。持ち物を全て売り払って、なんとか生活をつないでいたけど、いつタイ王国から強制帰国させられるかが分からない、とても不安な状況を泣きながら聞かせてくれた。

ベトナムで開催されたDances of Universal Peaceのギャザリングでも、ミャンマーからの参加者がいて、帰国する数日前に家への橋が爆破されて、帰れるのか、自分の地域がどんな状況になっているのかがとても不安そうだった。こういう会話をすると、戦争がよりリアルに感じられる。

日本も、軍事費と自衛隊基地を拡大化していて、着々と軍需産業を盛り上げながら、中国がいかに危ない国かを煽るプロパガンダが続く。

日本にも戦争が着々と近づいている感じがする。

さあ、どうする?

そんな bad news と共に、いろんな素敵な学びとインスピレーションをいただいている

子供が産まれたのは SUPER BIG! 

妊娠、出産(古民家で自宅出産)、新生児/乳児タイムにめちゃめちゃ癒されている。世界のバッドニュースを吹き飛ばす、目の前のセンスオブワンダー。今の社会で健全な出産や子育てがいかに難しいかを痛感しながらも、無防備で純粋な存在と共にいることはかけがえのない体験になっている。

その他、インスピレーションのハイライトで言うと

・Dances of Universal Peace (世界平和の踊り)への参加

・サティシュ・クマールとヴァンダナ・シヴァによるトレーニング「ガンジー、グローバリゼーション、地球民主主義」への参加

・ウダイプールのエコバーシティ運動/脱学校運動の視察

上の3つについては、check out 最近の学びと活動 – インド、平和、地球民主主義、ディープエコロジー、リーダーシップ(ヴァンダナシヴァとサティシュクマール)

・タイ王国のプラムビレッジ年末年始のリトリート(今、参加中)

平和と非暴力のインスピレーション

今回は、平和についてのさまざまな学びをシェアしながら、僕の人生を大きく影響した大先生のサティシュとヴァンダナからの教えを紹介したい。

以前投稿した、鈴木菜央との平和についてのトーク動画も見てなかったら、Check it out.

一緒に、勇気ある平和を生きていこう!

禅僧ティクナットハンの教え

人生で出会った大人の中で、一番「平和」を体現していると感じたのはティクナットハン。ベトナム戦争中、命懸けで平和活動をするところから、世界中に平和の教えを広めてきた彼と出会ったのは、大学卒業してから間も無く(2006年ごろ)。

どんな問いに対しても、彼の答えは、だいたい「まずマインドフルに呼吸すること。そして、マインドフルに歩くこと。」

「でも、中東で大量の人が空爆されているんです!」と訴える一般市民に対して彼は、

「first you practice breathing in, then breathing out. Be aware of your in-breath and out-breath.」

まずは、息を吸っていることに気づいて、息を吐いていることに気づく。吸う息と吐く息に意識を向ける.

20代の頃、ベトナム戦争の中で彼の仲間は、脅迫されたり、消されたり、殺されていた。それでも彼は、お寺の中にとどまらず、積極的に戦争で困っている人々を助け続けた。そして、共産主義政府にベトナムから追放されてから、欧米で平和を広めてきた。心の平和から世界平和まで。

学生の反戦運動から平和活動家になった僕に衝撃的だったのが、彼の本のタイトルでもある BEING PEACE(平和であること)。反戦運動に夢中だった僕に、あり方の大切さを教えてくれた。

彼が創設した僧院(エコビレッジ?)プレムビレッジで2ヶ月暮らしていた頃、元米兵やベトナム戦争の難民などの話を聞かせてもらった。

プラムビレッジの凄いところは、平和の道一筋に人生をかている世界中の人たち(僧侶)が千人以上暮らしていること。

ぜひ、行ってみて!
(僕は、毎年のように年末年始のタイ王国にあるプラムビレッジに行くようにしている。長く滞在すればするほど、深い体験ができる)

平和の先生たち

僕は、多くの大先生と出会う恵まれた人生を生きてきたと思っている。禅僧ティクナットハン、サティシュ・クマール、ヴァンダナ・シヴァ、NVC創始者マーシャルローゼンバーグなどから直接学ばさせてもらえた。

彼らの他に、僕の平和の理解を深めてくれているのが、何百年も同じ場所で立ち続けているレッドウッドやジャイアントセコイヤたち(巨木たち)とキノコ。

どんな抑圧や暴力を受けても育ち続ける雑草たち。

抑圧も暴力もジャッジもしない、赤ちゃん(僕たちのルーツ)。

そして、その赤ちゃんを見返りを求めず精一杯育て続ける、世界中のお母さんたち。

みんなは、どんな素敵な先生から平和について学んでいる?

【平和】と【非暴力】の違い

「ガンジー、グローバリゼーション、アースデモクラシー」の講師の一人(Dr. Apoorvanand)の定義が興味深かった

平和は、暴力がない状態。

非暴力は、暴力が存在している現実を認めること。

学校教育は暴力

以下は、仲間のマニッシュ・ジェーン(教育活動家、エコバーシティ創始者)より
*翻訳はAI

“The modern factory-schooling education system is one of the greatest crimes against humanity. One hundred years from now, we will look back at the violence of schooling and ask how we could we have done this to innocent children?” — Manish Jain, Shikshantar Andolan

「現代の工場教育制度は、人道に対する最大の犯罪の一つです。今から 100 年後、私たちは学校教育における暴力を振り返り、どうして罪のない子供たちにこんなことをできたのかを問うでしょう。」マニッシュ・ジャイナ教、シクシャンタル・アンドラン

軍隊システム、刑務所システム、工場システムを設計したのと同じ人達が、教育システムにも同じ設計を使用しました。私たちの政府でさえ、それが「人材開発省」であると言っています。したがって、彼らはその議題が何であるかについて非常に露骨です。

それは人々をこのより大きな経済成長モデルの一部と見なします。それは基本的に3つの方法からきます。愚かな消費者、生態系を無視して徹底的に搾取しようとする人々、そして依存症によってしか幸福を見つけることができない人々。

学校と牢屋の仕組み


  • 権威主義的な構造
  • ドレスコード
  • 沈黙と秩序を重視する
  • 負の強化(間違いを正す、足りないことを重視)
  • 列になって歩く
  • 個人の自主性の喪失
  • 短縮された自由
  • 意思決定に含まれない
  • 散歩や食事などに強制的な時間を設定する

*【教育と暴力】については、また改めて記事を書く予定。

Satyagraha サティアグラハ(真理を掴む)と非暴力

非暴力のパワーとなる要素の一つは「自分」をsacrifice(この「犠牲」にはかなりのニュアンスがある)する覚悟。真理(愛/非暴力)のために、危害を向かい入れ、他の人には危害は与えない決心。例えば、塩の行進で多くのインド人は、自国の塩を取りに行くだけで逮捕されたり、暴力を受けたり、殺されたりした。そういう危害を受ける覚悟をしながら、彼らは暴力を振るう警察官に対して、危害を返さないことに徹した。

暴力に対して、暴力を返したら、暴力は続く。

さらに、暴力的な世界観や行為(例えば、イギリス帝国の支配、独裁政権、資本主義)に従えば、暴力を不本意に支えてしまう。だからこそ、非暴力&非服従。

サティアグラハは、人間の人生を超えた領域の真理と、命の尊厳を守るための、勇気ある LOVE IN ACTION

重要なのは、意図が純粋であること。

憎しみや怒り、不安や恐れのない、純度の高い愛。

例え苦しみや死が代償でも、今世に執着をしない、全てがつながっている、終わりも始まりもない領域へ身を委ねる。

Noncooperation 非服従

抑圧や暴力に服従しない。

これについてサティシュは、抑圧やあらゆるイズム (-ism: individualism, imperialism, capitalismなど)と協力しない、支援しないと語っていた。

例えば、アメリカなどの平和活動家の一部の人たちは、税金を払わないアクションを取る人がいる。なぜかというと、世界中の人を抑圧して殺している米軍の軍事費に税金の多くが使われているから。税金を払うことは、軍隊と暴力を支えることになってしまっている。日本人の税金も米軍基地の支援に使われたり、イラクの侵略に自衛隊を派遣するために使われてしまっている。僕たちが払っている税金の一部は、戦後の米軍による支配(米軍基地とか)と不条理(日米地位協定とか)を維持してしまっている。

戦争や、例えばジャニーズで起こった性暴力を可能にするのは、従順な協力者(良い悪いという意味ではなく、システム的に従順な協力者が必要ということ)。独裁者などが戦争をしようとしても、みんなが協力しなければ、何も起こらない。行政の人たちが資源を動かし、兵隊が戦い、市民がそれを社会的/経済的に支援するから戦争という大プロジェクトが実現する。ジャニーズで起きたような性暴力も、ジャニーズ氏の周りの人たちやメディア、裁判官、一般市民が許容したから何十年も続いてしまったんじゃないかな。

重要なポイントは、誰かが悪いということではないこと。権力に従順であることを、僕たちは幼い頃から教育されている。そして、おかしいことに声を上げるパワーを封じられ、権力を恐れながら生きてしまったいる。「抑圧のシステム(ワルター・ウィンクは、支配のパラダイムと呼んでいる)」をみんなでしっかり捉えることが必要。

ある人が良い/悪いは、抑圧のシステムを維持する危ない概念。(プーチンが悪い、トランプが悪い、中国人が悪い、男が悪い、私が悪い。。。)。そういう世界観を教育されてきているから、UNLEARN(そのものの捉え方から意識を解放)するのは、めっちゃ難しいけど、不可欠!

子育てと暴力

NVCのトレーナーであり、社会変革研究者/アクティビストのミキ・カシュタンから学んでいる、【暴力と子育て】の関係性の話がとても興味深い。子育て中のパパとして、「世の中の暴力や抑圧は、子育てをする中で再生産されている」というポイントに、すごく揺さぶられている。

何度か深々と書いたので、よかったら以下の記事を見てね

Greenzの記事(3本の連載)

TUP blogの子育て記事

イスラエルとハマスの戦争 by Dr. Apoorvanand

重要な視点は JUSTICE (正義?)

イスラエルは、暴力的な手法で建国された(第二次世界大戦の戦勝国による勝手な決断と、その地域にいる人々の強制的追放など)。そして、建国からずっとパレスチナ人や自国民の抑圧を続けている。イスラエル市民は、抑圧への抵抗を弾圧し続けながら、不安と恐れが耐えることなく存在している。

最初(建国時)の不条理を認めて、そこを解消しない限りは、平和にはならない。

何百万人の人々をパレスチナという名の牢獄に閉じ込め続ければ、彼らはなんとか抑圧からの解放を実現し続けようとする。そして、一瞬でもその抑圧の壁を壊せたら(ハマスによるイスラエル人の虐殺のように)、喜ぶ人も少なくはない。この反抗行為は抑圧されている側に、オートノミーや自由の感覚として感じられる。

→ ナチスドイツに抵抗した、ユダヤ人によるワルシャワ・ゲットー蜂起が似たような事例として挙げられていた。

状況を改善するためには、まずは、抑圧者と被抑圧者が誰であるかをまず、name(認める)必要がある。

そして、暴力行為(特にパレスチナへの軍事アクション)を止めて、対話を始めることが必要。暴力行為が止まるまでは、対話はできない。

ここまでが、彼から聞いた話だけど、僕の補足をすると
1。権力者(総理大臣、軍の司令官、テロ組織のリーダー)と一般市民は同じではないから、「イスラエルが。。。」「パレスチナが。。。」「ハマスが。。。」というほど単純ではない。

2。大規模の紛争を可能にして、紛争を煽る軍需産業/軍産複合体や金融機関(戦争は大量のお金が動く)の役割は見落とせない。

暴力的なリーダーと市民は同じではない

戦争を起こす人、独裁者、マフィアやギャングのリーダーは、だいたいいつも権力が集まった男性(たまに、女性もいるけど)

破壊的なリーダーになる人たちは、幼少期に健全な愛情や安心が得られなかった、深いトラウマがある人たちという説もある。(これについては、ガボールマテのTEDxが分かりやすい)。

ニュースを見ると、「ロシア」がウクライナに戦争を仕掛けているように欧米派では話される。でも、ロシアの中では、戦争に反対している人もたくさんいる(亡命したり、牢獄に入れられている人もたくさんいる)。ウクライナでも、反戦運動家が逮捕されるニュースを反戦団体 World Beyond War から聞いた。イスラエルでも、パレスチナの占領と破壊に反対しているユダヤ人が活動し続けている。ハマスを支持しないパレスチナ人も多くいる。

アメリカでも、僕は多くの多様な人と、警察や国防省に威圧されながらも反戦を訴えてきた。日本でも、戦前と戦時中に戦争に命懸けで反対した人たちがたくさんいる。彼ら、彼女らのストーリーはなかなか世の中で広がらない。

戦争や暴力は、一部の人が強行してやっている行為なんじゃないかな?時には、そこに多くの人が巻き込まれてしまう。反対する勇気がなかったり、さまざまな事情で関わってしまったり、容認してしまう人もいるけど、基本的には、ほとんどの人は戦争や暴力を嫌う。

国や組織のリーダーは、市民やその組織の人たちの本質的な代表ではない。日本の総理大臣の言動は、一般市民が支持しているものではない。アメリカの大統領もそう。彼らは、どちらかというと権力の代表(権力者、富裕層、大手産業、エリート)。

そこは、混同しないように意識をしていきたい。

そして、戦争や破壊を支持してしまう人たちに、取り返しのつかない権力が集まらないように、平和な社会をしっかりと育てていきたい。それは、僕たちみんなの責任。

消費社会と資本主義は暴力的&ジャンクエネルギー

消費社会と資本主義は、命の搾取と命の破壊なしでは存在できない。僕たちは、搾取と破壊をして生活を成り立たせ、搾取され、破壊されていく。

一気に抜け出せなくても、しっかりと消費社会や資本主義への依存を減らして、人と自然とのつながりを取り戻さなければ、意味のない破壊的な世界観に蝕まれていく。

向き合い難いけど、僕たちが依存しているものすごく破壊的な要素は、「化石燃料」。使えば使うほど、生活が厳しくなり、病気を引き起こし、子供たちを絶望的な未来に追い込んでしまう。

ただ、僕たちはみんな幼い頃から化石燃料依存/中毒者にさせられているので、依存から自分を解放するのはものすごく難しい。けど、このまま依存し続けても幸せにはなれないし、希望も無くなっていく。

JUNK ENERGY

ヴァンダナ・シヴァは、化石燃料由来のエネルギーをジャンクエネルギーと呼んでいた。ジャンクフードが体を病気にしてしまうように、ジャンクエネルギーが地球を病気にしていると

平和活動一筋

サティシュの言葉

“I want to be an activist until the last breath of my life, like Gandhi”

「最後の息まで、私はガンディーのようにアクティビスト(平和活動家)でありたい」

僕もそうありたい

自分の一生を平和活動に捧げたい

それ以上に素敵な生き方ある?

be moved by love

勇気を出して、つながりを取り戻して、平和を在り方BEINGとアクションDOINGで体現しよう!

my life is my message

Kai

パーマカルチャーツアーやってるよ。