【ソーヤー海の経済学】大西つねきさんのお話会&お金という虚構

昨日は経済とお金の話がいっぱいあった日だった

14ー16時はギフトエコノミー・ラーニングサークルのオンライン会があって、その後にBrowns Fieldで行われていた大西つねきさんのイベントに寄ってみた。

イベントの告知はこんな感じ

『大西つねきさんおはなし会@ブラウンズフィールド』
〜お金の仕組みを知ってワクワクする未来を作ろう〜

お金って誰が作っているの?日銀?政府?意外に知らないですよね?
でも、お金の発行の仕組みを知れば、世の中がなぜ今こうなのか見えてきます。

なぜ格差が広がるのか?
なぜ戦争がなくならないのか?
なぜ病気がなくならないのか?
なぜ環境が破壊されるのか?
アフターコロナの経済はどうなるの?

大西つねきさんのお金の話は、実は決して難しくありません。仕組みをわかりやすく説明し、ごく当たり前のことを当たり前に話します。
そうすると、今まで疑問に思っていたこと、違和感を感じていたことの正体がわかり、腑に落ち、スッキリします。
そして未来への希望でワクワクしてきます。

私たちが何のために生きているか、何のために働くのか?
結局は、特にアフターコロナでは、それが一番大事なのです。

大西さんと会ったのは、消費税廃止へ! 2019政治決戦必勝!総決起集会で登壇した時かな。

昨日の会は、ギフトのサークルと丸かぶりだったから、最後の1時間しか参加できなかったけど、シェアしたいものが幾つかあった

まず、彼による今のお金の仕組みの説明(彼のホームページより

「。。。世の中のお金の量は、すでに説明したように、世の中の借金の量で決まります。何故なら、それが現代のお金の本質だからです。」

全てのお金が誰かの借金であることの意味

全てのお金が誰かの借金として発行されれば、その全てに金利がかかります。これは何を意味するでしょう?無数の借り手が全て、金利をつけて返すために、その分のお金を余計に集めようとします。借り手全員が無事そうするには、少なくとも金利分のお金が世の中全体で毎年増える必要があります。でなければ、足りないお金の奪い合いになるからです。一旦そうなれば破綻者が増え、銀行は貸さなくなり、さらにお金が減り、奪い合いが激化し、さらに破綻者が増えるという負の連鎖に陥り、最終的にはシステム自体が破綻します。それを防ぐためには、お金を増やし続けなければならないのです。お金を増やし続けるということは、借金を増やし続けるということです。しかも無限に、永遠に。そして、お金(借金)が増えれば増えるほど、それにかかる金利は膨大となり、格差の拡大も加速するのです。利息が利息を生み、債権と債務は表裏一体、雪だるま式にどんどん膨れるからです。お金が誰か借金として発行されることの意味は、そういうことなのです。

僕がイベントに到着したときは、大西さんがミハエルエンデ作のモモについて話していた。

時間泥棒の灰色の人たちは、金利を擬人化したもの。彼らが町中の人から時間を盗んでいくように、僕たちは金利という形で時間が盗まれ続けられている。だから、どれだけ働いても時間が減る一方。


不思議だよね。こんだけ世界中の人がものすごく働いているのに、余裕が増えないって。人類史上もっともテクノロジーとイノベーションが進化した今、多くの人が40時間以上働き続けないといけないって、めちゃめちゃおかしいよね。

あと、適当にメモった言葉

お金はただの数字

政府はずっと赤字(国債が増える一方)。別にそれは問題ではない

税金は政府が使うために集める必要はない。政府はお金をいくらでも刷れるから。税金は思想を反映するために使えばいい。例えば、タバコ税(タバコの消費を減らすため)とか、相続税(貧富の差を減らすため)とか。

赤字も黒字も概念

経済やお金のことを考える時に、よくユヴェル・ノア・ハラリが書いたサピエンス全史のことを思いだす。経済もお金も国家もフィクション(虚構)。人間が作って、ともに信じ合うから存在するもの。

以下、BuzzFeedNewsの記事より(一部)
“貨幣や宗教は虚構”「サピエンス全史」ユダヤ人著者が語ったこと

貨幣、国、宗教——。虚構・共通の神話を信じることで、無数の見知らぬ人同士が力を合わせられるとハラリ氏は分析する。

虚構は悪いイメージがあるが?

「虚構は重要で、価値があるものだと思います。なければ社会は成り立たない。例えば、貨幣がなければ、今の経済は明日にでも崩壊してしまう。秩序がなければ、互いに殺し合ったり、そうしても罰則も与えられなかったり。ですから、虚構が悪いと言っているわけではありません」

「例えばサッカーには誰もが合意しているルールがあります。このルールは自然なものでも、神からもたらされたものでもない。人間がつくったものです。でも、そのルールに合意、つまり共通の虚構を受け入れなければ、サッカーをプレイできなくなります」

「問題なのは、作り上げた虚構、フィクションであるということを忘れてしまうことです。作りあげたストーリーにあまりに執着して、それ故に争い、戦争に行き、殺し合いをする。人が虚構に振り回されてしまう」


技術や組織が発展すれば、富の総量が増えると信じるようになった。「資本主義の第一の原則は、経済成長は至高の善」だと指摘する。

「いま世界で一番重要なストーリーは資本主義。経済成長が世界の全地域をよくすることにつながると信じています」

「個人レベルでは、もっと物を買うことで幸せになれると思っています。大きな家、自動車、旅行など。より多くの物を購入すれば、さらなる生産が必要となる。それは経済成長につながります」

「国や社会という集団の観点でも、世界中で、経済成長が直面している問題を解く鍵だと思われています」

「安倍首相は日本経済の再興のために心を砕いているし、中国は政治的には共産主義ですが、経済面では経済の成長を第一と考えています。インドでもモディ首相が経済の成長を掲げて選出されています」

「問題なのは、経済成長はある一定レベルに達した以降は、必ずしも幸せに結びつかないということ。物を買うことが幸せにつながらない段階が訪れます。集団でも、経済の成長がすべての問題の解決をもたらすわけではありません。経済成長を追求すれば、生態系には大きな危機が訪れる」

地球温暖化を止める唯一の方法は経済成長を止めることでしょうが、どの国もそうしようとはしません。人々は反対運動を起こすでしょう。人が生活していくには経済成長が重要だという考え方から逃れられない。それが21世紀の最大の危険な状況だと思います」


ここから、ソーヤー海の言葉に戻る
そこで思うのが、なぜ自分たちの幸せや平和につながらないことを信じ続けるのか?そして、より幸せをもたらすフィクションを信じ合うためには何が必要なのか?

大西さんの話に戻ると、彼の仮説は

全ての問題の根源は、お金の発行の仕組みにある

そこは、確かに一つの重要なポイントだと思う。そこを変えれば、もしかしたらより多くの人が豊かな暮らしができて、環境破壊や人間同士の搾取や殺し合いが減るかもしれない。

でも、僕はそれが根元である感じがしない

伊藤敬佑さんのブログより

僕はこの氷山モデルのできるだけ下の方を探求したい

僕たちが当たり前だと信じている一番影響力をもつ信念や世界観が、変化の可能性をもっとも持っているじゃないかと思っている。一番パワフルなレバレッジポイント。

例えば、「弱肉強食」「勝ち負け」「競争」「善悪」「正しさ」

さらには、所有の概念や、自然と人間の分離やお互いとの分離(個人主義・利己主義のベースになっている思想)。チャールズ・アイゼンシュタインはこれをStory of Separation(分離のストーリー)とよんでいる。その反対がStory of Interbeing(共生のストーリー)。

経済やお金は、僕たちの意識がものすごく向いている虚構だけど、そこより深いレイヤーのレバレッジがある気がする。ただ、経済やお金の話は誰でも反応して、大体の人は関心があるから(悩み、痛み、欲、依存がある)、そういう意味では重要な共通言語なんだよね。いきなりStory of Separationとか共生とか言っても、大体の人は?になりそう。「宗教?」

もう一つ、最近思っていることが、メンタルモデルと構造・システムは密接に絡み合っているもの。だから、「意識を変えればいい」というのは、そんなに単純なことでもない。意識が変わりにくいのは、常に変わらないためにシステムからの働きがあるから(例えば、教育、メディア、周りの人の常識、法律やルールを守らないと罰せられることなど)。教育システムが、子供たちの世界観を形成していって(偉い人の言うことを守りなさい、教育は教室で行われるもの、あなたの価値は点数と成績、成功することはいい会社に入って高い給料をもらうこととか)、そこが変われば多くの人の世界観が変わる。そして、より多くの人が物事をシステムとして捉えて、インタービーイング(共生)を子供の時から探求できたら、それこそ共生革命なんじゃないかな。

自分の意識を徐々に変容させて、サポートシステム(自分の中やコミュニティ)を育んで、新たなパラダイムを共同体として生きるかが、パラダイムシフトの鍵だと思っている。

同じ思いを持っている人がつながりあって、協力しあって、全力でその世界を生き始めたら、僕たちが望んでいるより美しい世界がすぐに実現するんじゃないかな?

きっと実現する

もうそのタネは発芽している

一緒にその苗を育てていこう!

パーマカルチャーツアーやってるよ。