ローカル経済といすみローカル起業フォーラム

僕の情熱はギフトエコノミー/ギフトエコロジーにあるけど、一緒に活動している鈴木なおさんはローカル経済やローカル起業に力を入れている。地域の経済を豊かにするために、様々な面白い取り組みを進めてきた。行政と連携しながら、地域通貨マイ(米)、ローカル起業部、いすみローカル起業フォーラムなど。

国内外から面白い経済の取り組みをしている人も、いすみ市によんで講演やワークショップを行ってきた。最近は、サーキュラーエコノミーに取り組んでいる安居昭博さんがきたらしい。海外からはトットネス在住のジェイ・トンプト(下の記事)やアメリカのマイケル・シューマンとかにきてもらった。(今気づいたけど、経済について話してきた人は全員男だった!女性からもっと経済の話を聞きたいかも)

なおさんが中心として進めているローカル経済の動きは、トットネスのRECONOMY(リコノミー)プロジェクトから多くのインスピレーションを受けている。

RECONOMY PROJECTについては、下の記事がオススメ
人口8,000人のまちが「ローカル起業」で世界の注目の的に。お金だけじゃない、マッサージも空き部屋も投資になるリコノミープロジェクトとはなにか? ジェイ・トンプトさんに聞いた

「いすみローカル起業フォーラム」の原型となっているLocal Entrepreneur Forumの話しが面白い

いまある大きな経済システムを変えるのではなく、自分たちで新たにつくることを決め、ローカルにコミットしたビジネスを生み出すリコノミープロジェクト。その中でも最もユニークな取り組みが、年に一度、様々な人が自分のビジネスプランを投資家にプレゼンするというローカル起業フォーラム(Local Entrepreneur Forum)です。


トットネスでは、この「ローカル起業フォーラム」を通じてこれまでに27の事業が登壇し、その多くが今なお継続しています。さらに20人の雇用を生み出し、売上は2億2,500万円にのぼるそう。人口8,000人というトットネスで大きな資本主義経済に頼りすぎず、さらにローカルビジネスを広げ、実現、強化しています。


日本でも、起業家が短い時間でプレゼンしていく、いわゆる「スタートアップピッチイベント」は多数行われていますが、「ローカル起業フォーラム」のスタイルは少し違います。


たとえば、プレゼン項目は以下の通り。
1. そのビジネスを通じて解決したい問題は何か
2. 解決策は何か
3. あなたの価値
4. 求めている、お金/お金以外の投資
5. 投資を得られた後に次のレベルに進むプラン


通常のピッチイベントと違うのは、出場者が全員地域に根ざしたビジネスをやろうとしていること、ビジネス支援の形が、お金だけではないところ、そして投資をするのは、投資家だけではなく、まちの一般の人々、というところにあります。


ローカル起業フォーラムの会場でローカルビジネスを提案する人、ビジネスに投資する人は、なにかのプロフェッショナルでも、まちの有名人でもありません。両者は、まちを自分たちの暮らしを良くしたいと手をあげる住人であるということ。そして、そのアイデア、ビジネスを理想論で終わらせず、ある意味、ビジネスが成功するようにサポートする体制があるということ。そこがリコノミープロジェクトが最高にクールだといえる点です。

ついこの間、3年目のいすみ起業フォーラムの記事がGreenzに投稿されていたから、みんなとシェアしたくなった。こういう取り組みが日本中/世界中にあったらみんなの生活や地域が豊かになるんじゃないかな?

記事の中にフォーラムで講演をした高野翔さん*の生き甲斐の話しが興味深かった。

*1983年、福井県生まれ。大学院卒業後、2009年、JICA(国際協力機構)に入構し、これまでに約20ケ国のアジア・アフリカ地域で持続可能な都市計画・開発プロジェクトを担当。2014-2017年にはブータンにて人々の幸せを国是とするGross National Happiness(GNH)を軸とした国づくりを展開。地元福井では、人のCapabilityに注目したまちづくり活動を実践。2013年、人の魅力を紹介する観光ガイドブック「Community Travel Guide 福井人」の作成、2018年、豪雪によってできなくなった事業を市民一人ひとりのできることで復活させる「できるフェス」を開催し、共にGood Design賞を受賞。スモール イズ ビューティフルを執筆した経済学者 E. F. Schumacher の系譜を引く、Schumacher Collegeで新しい経済学を学ぶ。

高野さん 「働く」って、経済学の言葉では「労働」なんですね。経済学においては「労働=コスト」でしかない。

いかに労働を減らして、利益を最大にするかというのが、従来の経済学の考え方です。

でも働くことから、人の喜びとか、自分らしさを切り離してしまったら、幸せな社会は描けないんじゃないかと思っています。

JICA職員の高野さんは講演の最後に、今、イギリスで「生き甲斐」という言葉が注目されていると教えてくれました。

高野さん 「世界が求めること」、「稼げること」、「得意なこと」、「好きなこと」が全て重なる部分が「生き甲斐」。この言葉をイギリスで聞いて、私は勇気をもらったんですね。

今「世界が求めること」、「稼げること」が日本の地方にいっぱい転がっている。漏れ穴がたくさんある状況だと思います。漏れ穴はチャンスだと思って下さい。漏れ穴に自分の「得意なこと」、「好きなこと」を重ねて、「生き甲斐」にすることで、漏れ穴を小さくしてもらいたいと思います。

それはローカル経済を強くすることだし、経済の自給率を越えて、人の幸せの自給率が高い地域を生み出すことだと思っています。

生き甲斐ね〜
稼げなくてもぜんぜん生き甲斐を感じるけどな
それがギフトエコロジー(to live in service)の特徴なのかも
ま、その話しはおいといて

ようやくみんなとシェアしたかった「いすみローカル起業フォーラム」に到着

いろいろ参考になると思うから、check it out!

Greenz 参加者全員が主役。地域で起業家をサポートする「いすみローカル起業フォーラム」で、お金が循環する、幸せの自給率が高いまちをつくる。

自分の経済、地域の経済、グローバル経済を創造していこう!

パーマカルチャーツアーやってるよ。