GREENZ連載記事のギフトエコロジー Part 2
Part 1はここ「ギフト経済(ギフトエコノミー)ってなに? ソーヤー海が経験した、お金の呪縛から解放。そして貢献し合うことで成り立つ経済の可能性。」
Part 2の写真付き全文はここ(以下、サンプル)
ハロー、ソーヤー海だよ! 前回はギフト経済の実践例を紹介したけど、今日はギフト経済についてもうちょっと深く考えたいと思う。ポイントは、お金を求めたり使ったりすることは必ずしも悪いことではないということ。むしろギフト経済の概念を通して、不安や恐れから行動するよりも、みんなとつながっているという意識を持つ世界にシフトできたら、と思ってる。
まずギフト経済とシェアリングエコノミーの違いは、シェアリングエコノミーって結局は分かち合うことをマネタイズしている資本主義なんだよね。無償で分かち合えたものが、お金に交換されていって、テック会社が仲介手数料を取る。資本主義は、プライスレスな(値段のない)ものをマーケットに出して売買することで数字の利益を生み出す仕組み。
物々交換も、結局は交換関係。例えば物々交換だと、誰かに靴を直してもらったお礼に、家で大量に余っているミカンをあげる。だけどギフト経済では、ミカンが大量に収穫できたら、とにかくいろいろな人に配る(そもそもミカンは僕のものじゃなくて、鳥か誰かが運んだ種から生まれた恩恵を僕が収穫しているだけ)。そうやって必要なところに資源が届く流れをつくるんだ。
つまり、ギフト経済ではモノとか幸せとかが、大きな流れのなかで循環しているんだよね。だから、「ギフト経済でやっても回らない」っていう話をよく聞くけど、ギフト経済の世界観は「僕らが回しているんじゃなくて、生態系の循環のなかで僕たちは生かされている」「僕らはその循環の恩恵の一部をいただいて、次の命につなげる」のが、そもそもの前提なんだよね。僕はコスタリカのジャングルで、これにやっと気づけたんだ。でも、資本主義のメガネで世界を見たときに、「回っている」ことが見えづらくなる。
交換と循環は全然別もの。交換関係は、土地でもモノでも人でさえも、どこかのタイミングで誰かの所有物になる。資本主義では、所有して、権利を使って、市場に出して、利益に変えて、恩恵を独り占めする。所有の概念が土台にある、取り合いを促すゲーム。みんなとすべてをシェアしたらお金持ちにはなれないもんね。
僕らは労働者として働いたりサービスを提供したりして、不自然な仕組みに頑張って自分を合わせようとしている。そして、みんなで助け合い、分かち合うことよりも、人間関係を分断して、お金を介して関係を成り立たせることで、消費を増やし、GDPを上げている。
でも、これよりももっと楽しい、みんなが豊かになるゲームつくれるでしょ!!って僕は信じている。みんなと思い出したいのは「僕たちは生態系の循環の一部として生かされている」ということ。ちなみにこういう理由から僕は、人間中心的な人と人が何かを交換するイメージがある「経済(エコノミー)」という言葉より、「ギフトエコロジー」という表現を好むようになった。