「アドボカシー」で社会を変える方法とは?日本若者協議会の事例から

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by 室橋祐貴(日本若者協議会代表理事)on Yahoo ニュース

アドボカシーとは:社会にあるさまざまな課題に対して、政策提言や世論喚起を通して政策を動かしていくこと

高校生や大学生が動かした政府・東京都の痴漢対策

日本若者協議会ではこれまで、ヤングケアラーへの対策強化、コロナ禍における学生給付金、大学院生への経済的支援、生徒指導提要の改訂、こども基本法、部活動の強制加入撤廃など、さまざまなテーマで政策実現に関わってきた。

中でも、ここ1-2年注力してきたテーマの一つが、痴漢対策の強化だ。

いうまでもなく、痴漢は性犯罪である。トラウマで電車に乗れなくなるなど、被害者に深刻な影響を及ぼす。

しかも、都心では被害経験のない女子高校生の方が珍しいぐらい、多くの女子生徒が被害に遭いながらも、長年軽視され続け、本格的な対策が取られてこなかった。

高校生や大学生などで構成される日本若者協議会ジェンダー政策委員会では、この長年続く性犯罪を本気でなくそうと、2021年8月から署名活動を始め、各政党、政府、東京都などに対して働きかけてきた。

その結果、2023年3月30日に、政府として初めて網羅的にまとめた「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」が公表された。

この政策パッケージの中には、日本若者協議会が要望してきた10項目が全て盛り込まれている。

100年続く痴漢問題、撲滅なるか?政府が「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を公表(室橋祐貴)

東京都では、2021年度末に改訂された「東京都男女平等参画推進総合計画」に、痴漢対策に取り組む旨を明記。

2023年1月18日からは、都営大江戸線に女性専用車両が導入された。2005年に都営新宿線に導入されて以来、都営地下鉄に新たに女性専用車両が導入されたのは、18年ぶりだ。

痴漢被害多い大江戸線に女性専用車両を導入へ。若者の声が社会を動かす(室橋祐貴)

東京都の2023年度予算には、5000万円の痴漢撲滅プロジェクトが新しく入り、痴漢被害の実態調査や庁内プロジェクトチームの設置と民間事業者と連携したムーブメントの創出、痴漢撲滅キャンペーン等の展開が進められようとしている。

社会を変えた方法

政府や自治体の取り組みは、計画・予算策定、実態調査、施策実施と、実施に至るまでの工程が多く、どうしても時間がかかってしまうが、着実に計画がまとめられ、本格的な対策が進められようとしている。

なぜ政治家でもない、高校生や大学生がここまで社会を動かすことができたのか。

それは、きちんとコツを踏まえた上で、戦略的に動いたからである。

他のテーマでも提言が実現しているように、そこには再現性もある。

具体的には、下記のような順番で動いている。

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