最近の新たな視点
まだ、しっかり消化できてないのと、英語で書かれている難しい内容なので、日本語でうまく伝えられる自信はないけど、共有したくなったから頑張ってみる
一つ目は、仲間の安納ケンからすすめられた記事
The Atlantic – The Next Decade Could Be Even Worse
記事はピーター・ターチンのインタビュー
ピーター・ターチン (Peter Turchin)
コネチカット大学教授(生態学・進化生物学、人類学、数学)
理論生物学者として研究をはじめ、近年はCliodynamicsという歴史動態を数学的にモデル化する学際領域で活動している。特に、社会文化的進化、歴史のマクロ社会学、経済の歴史と計量経済史の交点に興味を持って取り組んでいる。「国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ」(2015)の著者
国家崩壊(ソビエト連邦みたいに)の予想とそのメカニズムについて語っている。特に、彼が住んでいるアメリカ合衆国の近づく崩壊にについて説明している。
彼の理論と数学的な歴史の分析で到着した結論は、3つ複合的な社会問題が社会の崩壊を引き起こしている。
- 肥大化するエリート層と、エリート雇用の不足(エリート層の中で派閥と対立が起こる)
- 一般市民の生活水準の低下
- 採算があわせられない政府
彼の予想では少なくとも次の5年は地獄のような状況になる(たぶん、アメリカの話)。そして、それは免れることのできない状況であること。なぜかと言うと、問題は深く構造的なもので、短時間で軌道修正できるようなものではないから。アメリカは氷山に向かっている豪華客船のようなもので、どっちに曲がるかとクルーが議論している間に、氷山を直撃してしまっている状況。そのクルーの議論がここ10年間で、今感じている衝撃は船が氷山にブツかったインパクト。
3つの要素の中でも、ターチンがもっとも強調しているのが「エリートの過剰生産」。社会の支配階級が雇用先の数より早く人口が増えてしまう傾向。サウジの王家のように生物的に増加する(子孫が増える)こともあれば、アメリカのように経済と教育の拡大により、より多くの人が裕福になり、高学歴になっていく。それ自体はいいことに思えるかもしれないけど、問題は、学歴が高くても雇用先や権力のあるポジションが限られていること。一部の人しか権力を持っていなく、持ってないエリートが反乱を起こす(トランプ現象のように)。Counter elite 対抗エリート
対抗エリートは、支持層を広げるために生活水準が低下して不満を感じている一般市民を味方にしようとする。
崩壊の引き金となるのは、政府の破産
一般市民の不満が広がると、彼らをなだめるためにお金や「ただ」のものをあげはじめる(コロナ禍で助成金や割引を市民やビジネスに提供している様に)。そして、それらを出し切ったら、政府に不満を訴える市民を制圧したり抑圧するようになる。政府がこういう短期的応急処置の手段を出し切ったところで、調和のとれた機能的な社会は崩壊する。
二つ目の記事はThe GuardianのGeorge Monbiotによるもの
Brexit stems from a civil war in capitalism – we are all just collateral damage
Brexitは、資本主義の中で起きている内戦の結果であるとモンビオットは言う。
資本主義の中には二つの大きな形がある。一つ目がしつけられた資本主義。
なんとなくの訳(一部)
大まかに言えば、資本主義には2つの主要な形態がある。
第一は、「しつけられた資本主義」(housetrained capitalism)と言えるだろう。これは、行政国家との調和を求め、安定性、予測可能性、汚くて荒っぽい競争相手を排除する規制などから得する派。それは、飼いならされた、弱々しい民主主義と共存することができる。
第二は、軍閥資本主義(warlord capitalism)と表現されるかもしれない。これは、税金、規制、必要不可欠なサービスの公的所有を含む、富の蓄積に対するすべての制限を違法とみなす。何も利益を上げるために邪魔をしてはならない。
Pollution Paradoxの話しが興味深かった
これが意味するのは、企業がより汚染深い、あるいはより有害なものであればあるほど、その企業の存在を脅かす規制を阻止するために、より多くの資金を政治に使わなければならないということだ。その結果、政治資金は、最も有害な企業や寡頭政治家に支配されるようになり、その企業が最大の政治的影響力を行使するようになる。彼らは、より柔軟な態度のあるライバルを押しのけてしまうのです。
汚染の話しだけではない。政治的結果を買うことに関心を持つ有害企業には、エキゾチックな金融商品を開発する銀行、計画法に憤慨する不動産開発業者、ジャンクフード会社、労働者の権利を破壊しようとする上司、租税回避を望む独裁者などが含まれている。だからこそ、キャンペーン・ファイナンスの抜本的な改革なしには、健全な民主主義は成り立たないのだ。
私は、ナイジェル・ファラージ氏や似たようなほらふきを、人種差別と文化的戦争のカモフラージュ雲を作り出している煙弾にすぎないと見ている。現代政治の執拗なトリック-それは繰り返し私たちを騙しているように見える-は、経済的・政治的利益を文化的な動きとして偽装することである。この武勇伝を通し、メディアは作戦ではなく、煙幕を報道してきた。
パンデミックの後を追うBrexitは 英国の何百万人もの人々の生活と自由を 害する可能性がある。 しかし、これは私たちのことではない。我々は資本主義の内戦の十字砲火に巻き込まれているだけだ。
考え深い