どこ?!!
そして、作務衣を纏ったラモスは誰やねん?!!
めっちゃウケル。
やっぱり、活動は自分が笑える感じでやらないとね。
4月に、江戸東京博物館の舞台の上でトークセッションに誘われた。仲間の近藤ひでのりさん(一緒に本を作った人)や辻信一さんからのお願いだった。江戸に(緩く)ハマっているし、登壇者が面白いメンバー(落語家とか)だったので、登壇者の一人にさせてもらった。
せっかくだから、パーフォーマンス精神を大切にして、藍染めの作務衣を着ていった。落語を披露した辻さんは袴。僕はいつものようにトークを乗っ取る勢いで熱く語りはじめたんだけど、なにが一番不思議だったかというと、
外国人顔でアフロヘアーの兄さんが藍染めの作務衣を着て日本語で熱く語っている目の前には、100人以上の西洋服を来た日本人が座っていたこと。
一人も和服を着ていた観客が見当たらない。0!しかも、和服を着ている僕たちが浮いてしまうくらい、非日常になってしまっていること。凄いと思わない?戦後だと思うけど、一気に和服が消えてしまい、学校制服や正式な場(結婚式、大臣会議、ビジネス会議、学会)はほぼ全部西洋服。文化が完全に変えられてしまっていた。だから、ガンジーは糸を紡いで、自分の着る伝統的な服を編んでいたのかもしれない。
ディープになりすぎちゃった。
観客のみんなは、このステージの上の僕を見て、なにを思っていたんだろう?僕だったら、ずっと心の中でツッコミ入れて笑ってたと思う。
「なぜ、江戸の舞台の真ん中にアフロの男が座っているのか? 」
多様性
以下は、近藤さんが編集したもの
オリジナル&全文はLocal.Bizで
第二部は、文化人類学者・環境運動家である辻 信一さんがモデレーターとなり、引き続き古今亭 菊千代さん、著書『江戸に学ぶエコ生活術』などでも知られるデザイナー・作家のアズビー・ブラウンさん、一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花さん、共生革命家・東京アーバンパーマカルチャー創始者のソーヤー海さんをお迎えして、江戸東京博物館 館長の藤森 照信も参加して、それぞれが感じた江戸の魅力について語られました。
アズビーさんのプレゼンテーマは、「今に生かす江戸」。江戸では、東京湾で獲れた魚や近隣で育てられてた野菜を食し、都会の地産地消が実現していました。さらに、銭湯によって燃料と水が節約されていたり、建物のほとんどの部分が分解してリサイクルできたりと、江戸文化には今に生かせそうなヒントがたくさんあったとアズビーさんは話します。
「町にはものを修理する業者もたくさんいて、その様子をすぐ近くで見れるので、子どもたちにとっても良い勉強になりました。世界では今でこそ、スモールハウスが話題になっていますが、日本には昔からあり、ミニマリズムやシンプルライフは当たり前にそこにありました」
アズビーさんはここで、江戸時代の文化を象徴する「吾唯足知(=Just Enough)」という言葉を紹介していました。これは「我ただ足るを知る」と読み、「満足することを知る人は、見てくれは貧しくても心が豊かであり、満足することを知らない人は、見てくれは豊かでも心が貧しく不幸な人」いう意味を持っています。
最近では、今このときを大切に生きるための考え方として「マインドフルネス」や「ヒュゲ」といった言葉が注目されていますが、江戸時代には目の前にあるもので満足し、幸せを感じるという価値観が当たり前にありました。ソーヤさんも、今の日本人は「豊かさに気づくこと」が必要だと話します。
「持続可能な社会をつくるって、 ”我ただ足るを知る” をみんなで実践すれば、一気にいろいろな問題が解決すると思うんですけど、今の日本人は、江戸の人に比べたら外国人のよう。そもそもそれを言われても、なんじゃそりゃ?ってなる気がするんですよね。ほとんどの人は、豊かさを求め続け、豊かな世界で生きたいという方が強いんじゃないかな。 “足るを知る” ってことは、今が豊かであることが前提。だからすでに自分が豊かであることに、まず気づくことがより必要なんだと思う」
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江戸の循環型システムを東京に!搾取だけでなく還元ができる社会に
続いては、ソーヤー海さんのプレゼンです。アメリカ人と日本人の親を持つソーヤーさんは、ハーフであることを生かし、日本と海外を繋げる活動をしています。生まれは東京で、海外に出て初めて日本の文化や禅や農業の素晴らしさに出会ったそうです。その出会いから今では日本の文化を再生する活動も行っています。
さらにソーヤーさんは、東京アーバンパーマカルチャー創始者でもあり、都会での循環型農業の普及にも取り組んでいます。循環型農業は江戸時代にも実践されていました。そこで重要になってくるのがコンポストだとソーヤーさん。
「昔コスタリカのジャングルに住んでいたときは、穴を掘って用を足して土をかぶせるとそこからバナナがなって、自然の循環ができていました。まさに江戸も都会でそれを実践していて、当時で言えば世界最先端だったんです」
江戸時代の人たちは、畑の野菜から栄養を得て、余分なものを糞として出し、それを畑に返すことで土の栄養も補給され、また豊かな農作物を育てていました。当時人糞は売り物にもなっていたそうです。
今の時代の農業はというと、同じ種類のきれいな野菜を大量に育て、足りない栄養は化学的な肥料で補うというかたちが主流です。社会では多様性が言われていますが、畑は多様性がないに等しい。そしてその有り様は人の体においても同じことが言えるのかもしれません。
化学的なもので大量に作られた野菜や肉を食べ、それでは足りずサプリを飲み、それが行き過ぎて病気になり、薬を飲んでその場しのぎをする現代人。自然から離れ、循環とは程遠い搾取ばかりの社会になってしまいました。私たち人間は今、どれだけ自然へ還すことができているのでしょうか?
江戸のシンプルな仕組みが、今の社会が持つ矛盾をひとつずつ解いていく
さらにソーヤーさんは、今の東京の下水システムへも疑問を投げかけます。
「今のシステムは、僕らが出したものを水に入れて溶かし、石油を使って燃やして大気に飛ばすということをやっています。その石油は、わざわざ中東から持ってきている。テクノロジーとしては先端だけど、循環はしていない仕組みです。そしてここには、たくさんみんなの税金がかかっている。これはたくさんの人が損をしている仕組みだと思う」
行き過ぎた今の時代に、江戸風のシンプルなデザインが必要だとソーヤーさんは話します。そういった問題の解決に向けて、いち早くアメリカの西海岸やヨーロッパのある地域では、コンポストトイレが流行しています。
「僕が活動しているポートランドのエコビレッジでは、畑の真ん中にコンポストがあって、人糞を半年から1年で堆肥にして、果樹とか野菜の土に撒いていて、本当にいい野菜ができてる。自分の家から3メートル先で育てられて、食べた後に自分の土地の肥料に変えていく。複雑な仕組みも要らなくなって税金もかからない。みんなハッピー」
そこはもともと駐車場だった場所で、アスファルトをみんなで剥がして畑にしたそう。これは都会でも実現できると、ソーヤーさんは言葉に力を込めます。そして、そういった仕組みづくりとともに、暮らしのための学びの場をつくることもやっていきたいと話します。
「今の学校は暮らすための学びがないから、みんなパソコンやお金の使い方は専門家だけれど、それだけでは暮らせない。地球がどういうところで、生きるためにどうすればいいのかを学ぶ場所が、日本にはまだ足りていなくて、それをつくっていこうというのがビジョンです。特に若い人たちがいなければ未来はないので、若い人たちを全力で応援しています」
EARTH DAY永田町で政界も循環する場所に!
「生かし合う関係性」が「サステナブルな社会」を実現
さらにソーヤーさんは、永田町の参議院議員会館で味噌づくりワークショップ*も開催したそう。政治家たちの心と体を癒すこと、発酵してできる良い菌で永田町を満たすことで、永田町に革命を起こしたいと言います。
*僕が開催したのではなく、僕は参加しただけ
「今の使い捨ての文化は、子どもたちに膨大な借金と環境汚染と希望のない社会を残してしまう。これはかなり深刻な問題だし、その文化の一員であることはつらいこと。地球が最高であって、人間はどれだけ素敵な存在なんだってことを再認識して、良いものを子どもたちに残していきたい。
そのベースになっているのが、江戸や縄文や先住民の世界にもある ”生かしあう関係性” 。生かされていないものが “ゴミ”とされて、人の場合は、引きこもりになったり自殺をしてしまったりしているんじゃないかな。
生かされていないと、人も、資源も悪くなっていく。生かされていれば、生き生きしていく、それが私たちが目指す世界なんじゃないかなって。まずは一人ひとりが自分を生かすこと、ただ適当に暮らすのではなくて、ワクワクする暮らしをする。そのワクワクをおすそ分けしていって、幸せにするっていうのを社会のベースにする。だからもっとみんながワクワクして欲しい!」
味噌づくりワークショップには菅直人さんや山本太郎さん、福嶋瑞穂さんも参加したそう。政治家も他の職業の人もそうですが、合理性や効率性やスピードを重視した社会では、ものが消費され、それを成り立たせるために結果心も消費されてしまう。それは持続可能な社会と言えないのではないでしょうか。
最近では、働き方改革が言われていますが、持続可能性の実現には ”時間的な余裕” を持ち、みんなが楽しめる社会を実現することが鍵となってくると辻さん。子育て中のソーヤーさんは、今の千葉県での長屋暮らし(シェアアパート)がもたらす豊かさについて語りました。
「長屋では、隣の人が育児を手伝ってくれて、子どもたちも外で遊んだり、他の人の家で遊んだりしていてすごく楽。共同作業はひとりの作業が分担されて、余裕が生まれやすい。孤立すると余裕がないんだよね。自分でいろんなものも揃えなきゃいけないし、全部自分でやらなければいけないから、無駄が多くなるよね」
今でこそ、シェアリングエコノミーやシェアハウスが至るところで言われていますが、共同で暮らす、繋がりがある生き方をすると、そこから余裕が生まれ、豊かさが生まれるとソーヤさんは話します。
ここで、辻さんの小話も披露されました。昼間から寝ている町民に対して「働け」と言う町民がいました。「なぜ働かなければならないのか?」と聞くと、「働くことで金持ちになれる、そうすれば時間ができて、寝て暮らせるじゃないか」と答える。でも寝ていた町民は「それなら、もうやっているよ」というオチです。
私たちは、何のために忙しいのでしょうか?経済が一番重要だとして、大事なものを見失っている。この小話は、今の私たちを表していると言えるかもしれません。。
すべての繋がりがよく見える江戸社会は、世界の最先端
さらにソーヤーさんは子育てを通し、すべては繋がっていくのを感じると話します。
「赤ちゃんは命時間で生きている。その瞬間起きたことに対応していくのが一番リアル。その瞬間、自分の体や周りの人の体に起きていることによってやることが変わってくる。今の僕は親や江戸の人がいることで存在していて、いつか死んで朽ちていくんだけど、その方向性を続けてくれるのが子どもなので、無常の世界とすべては繋がっていくっていうのを子どもで感じます」
そしてアズビーさんも、江戸の暮らしから一番学んだことは「すべての繋がり」だと話します。
「みんな別々に学んだり、考えたりしているけれど、本当はさまざまな問題がみんな繋がっている。森林伐採によって川があふれ、田んぼや畑に影響があるとか。その全体を理解することで、社会のバランスが取れるようになるんですね。
日本は一番サステナブルな国です。だから世界は期待していると思います。今日本に来ている人たちは、ポップカルチャーにも興味があるけれど、本当は日本の昔からの文化や暮らしの方に興味がある。本当に意味の深い暮らしや考え方。日本人はなぜそれに気づいていないのかが不思議なくらい」
オリンピックまであと1年と約半年。日本が江戸の文化を取り戻していくことで、もっと世界の役に立つことができるかもしれません。
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過去に学び、今に生かす。これからの時代のサステナブルな「美」を追求する
江戸時代の日本が実現していた、すべての存在が循環する社会。そういった自然や生物、地球と調和する “美しい世界” こそが、サステナブルな社会だと言えるのではないでしょうか。最後に館長は、サステナブルを実現した “東京らしい美” こそが、求められていくと話します。
「江戸時代が始まってから “美” は京都がずっと独占していて、江戸の町のなかで初めて京都を超える美を生み出したのが、北斎をはじめとした浮世絵でした。江戸は100年かけて独自の “美” にたどり着いた。
新しい世界が最終的に “美” を生み出したとき、あるレベルに達すると思います。今は試行錯誤の段階だと思いますが、どこかの時期にサステナブルやエシカルから生み出す “ひとつの美” ができていくんだと思います」
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記事の全文はLocal.Bizで!
*もう一人、名前が出ているアズビーブラウンは、江戸時代を描いた素敵な本JUST ENOUGHの著者。江戸パーマカルチャー本(英語版の方が表紙もタイトルもキマってて、日本語版はあまり好きじゃない。でも、内容は同じだからcheck it out!)