僕が読んでいるThe Guardianで最近取り上げられている健康/環境ニュースの一つが、「永遠の化学物質PFAS」
フライパンとかのフッ素加工(テフロンとか)、食品の包装剤、カーペットやラグ、家具や繊維製品、雨具、消化器とかに含まれている、社会で蔓延している問題の化学物質
日本では(日本だけじゃないけど)、あまり話題になってないみたい
PFASは、1940年代頃から普及していった化学物質で、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等の特性を持ち、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に幅広く用いられてきている。PFASは「PFC(パーフルオロ化合物)」の名称で呼ばれることも多い。PFASは、実際には数多くの化学物質の総称で、2018年に経済協力開発機構(OECD)の報告書は、PFASには4,730種類以上があると報告している。特に有名なのは、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の2つ。
PFASは、英語で「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」とも呼ばれ、自然界や体内で分解されにくく、一度生成されると蓄積されやすい。その理由は、PFASを構成する炭素とフッ素の結合が、有機化学で作りだせる結合の中で最も強力なものの一つであることに由来している。但し、実際に永久に残るわけではなく、半減期が常用されている化学物質の中では4.5年と非常に長いため、この名前が付いている。
https://sustainablejapan.jp/2021/01/17/pfas/58068
Activism 市民(NGO)の働きかけで
マクドナルドは1月13日、2025年までに全ての包装・容器から全てのPFASを全廃すると発表した。同社は2008年にPFOAとPFOSの双方を全廃することを決定したが、今回は全てのPFASを全廃することを掲げたことが注目を集めた。
マクドナルドの決定の背景には、米消費者NGOのSafer Chemicals, Healthy Familiesが2020年8月に、マクドナルドの「ビッグマック」と、バーガーキングの「ワッパー」の包装紙から、PFASが検出されたと発表したことが大きな契機となった。この発表では、種類を特定せずに「PFAS」の用語で企業を批判したことで、「PFAS全般が問題」という感覚が社会に広がり、企業には、PFOAやPFOSではなく、PFAS全てを廃止するよう要請される事態となった。https://sustainablejapan.jp/2021/01/17/pfas/58068
その後、消費者NGOはマクドナルドに対し、11月に共同書簡を送付し、PFASの使用全廃を要求。それを受け、マクドナルドは今回、2025年までにPFASを全廃する決定を下した。
アマゾンが12月に行った発表も同様の背景があり、PFOAやPFOSではなく、PFAS全般を使用禁止することを決めた。
PFOAやPFASなどのPFAS物質の毒性について
以下、JMA 日本バルブ工業会より
実際にどのような毒性があるかは未だはっきりした結果は出ていないようですが、現在図3に示すような疑いが持たれています。また、食品安全委員会の資料に、毒性に関する欧米の調査研究結果(急性毒性、遺伝毒性(変異原)、発がん性、生殖発生毒性、その他の毒性)が示されていますので、参照下さい。
The Guardianより
Toxic ‘forever chemicals’ are contaminating plastic food containers by Tom Perkins
有害な「永久化学物質」がプラスチック製食品容器を汚染している
世界のプラスチック容器やボトルの多くは、有害なPFASに汚染されており、新しいデータによると、食品、飲料、パーソナルケア製品、医薬品、洗浄剤などに、潜在的に高いレベルで溶出している可能性があります。
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これらの化学物質は、がん、先天性欠損症、肝臓疾患、甲状腺疾患、精子数の減少、腎臓疾患、免疫力の低下など、さまざまな深刻な健康問題に関連しています。
Toxic ‘forever chemicals’ contaminate indoor air at worrying levels, study finds by Tom Perkins
有害な「永遠の化学物質」が室内の空気を憂慮すべきレベルで汚染していることが明らかになった。
有害なPFAS化合物が、家庭、教室、店舗内の空気を驚くべきレベルで汚染していることが、新しい研究で明らかになりました。
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これまで専門家は、人間がPFASにさらされる主な経路は食物と水だと考えていましたが、本研究の著者は、多くの人間が時間の約90%を室内で過ごしていることから、化学物質を吸い込むことが第3の重要な暴露経路である可能性があると指摘しています。
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火曜日にEnvironmental Science & Technology誌に掲載されたこの研究では、新しいPFAS測定技術を用いて空気を調べました。その結果、いくつかの幼稚園の教室で特に高い濃度が検出されたほか、アウトドア衣料品店の備品室、オフィス、いくつかの大学の教室、大学の研究室、エレベーターなどでも確認されました。
産業の闇
なぜ、大手産業はいまだに、市民、子供、労働者、消費者の健康よりも利益を優先し続けるのか?しかも、知っていながら。
そして、なぜ、僕たちはその流れを変えられないのか?(水俣病惨事から変わってなくない?)なぜ、容認してしまっているのか?
Lethal ‘forever chemicals’ taint our food, water and even blood. The EPA is stalling by David Bond
PFASを開発した企業は、何十年も前からその毒性を知っていましたが、その知識は企業の記録簿に隠され、政府の監視も驚くほど甘かったのです。
3M社とデュポン社は、1970年代から1980年代にかけて、PFAS工場で働く従業員に先天性異常やがんが多発していることを知っても、その証拠を隠蔽していた。1970年代、海軍と空軍は、PFASが基地の外や近隣のコミュニティに移動しているのを発見しても見て見ぬふりをしていました。1990年代に入ると、3M社とデュポン社は、自社のPFAS事業が自治体の飲料水を有害と思われるレベルで汚染していることに気づきました。調査報道によって明らかにされ、2019年に公開された映画「Dark Waters」でドラマ化されたように、企業幹部は証拠隠滅に手を貸し、住民や規制当局に虚偽の保証を与えた。
過去1世紀の間に、石油化学業界はPFASの危険性を認識し、安全策を講じる機会が無数にあった。それにもかかわらず、彼らはさらに多くのPFASを世に送り出した。3M社とデュポン社は、PFASの致命的な影響に関する自社内の科学的評価に反して、これらの化学物質を工業用原料、消防設備、消費財などに幅広く統合していった。信じられないことに、両社はPFAS廃棄物を、2,000万人以上のアメリカ人に飲料水や3州の農場に灌漑用水を供給している流域にも廃棄していました。
賠償責任を恐れて、石油化学業界と軍部は、PFOAとPFOS(規制対象に最も近い2つのPFAS化合物)の備蓄を燃やすことに躍起になっている。燃やしても、これらの可燃性毒物を広げるだけで、皮肉なことに廃棄物焼却炉が集中しているのは有色人種の貧困コミュニティをさらに汚染する懸念が高まっている。アメリカとヨーロッパがPFAS化学物質の一部を規制しようとする一方で、石油化学産業はPFAS事業をより規制にゆるいブラジル、中国、インド、ロシアのに移している。
ここがポイント。化学物質の毒性に対する責任は、規制当局の無関心、遅延、そして現在の絶望によって、化学物質から利益を得た企業から、化学物質と共存しなければならない地域社会へと移行しているのである。
*翻訳はDeepL翻訳ソフトを使いました
化石燃料産業とか、原発産業とか、車産業とか、プラスチック産業とか、IT産業とかも同じようなビジネス戦略だよね。なんとか、こういうトレンドを変えられないかな〜
ACTION:気づきを行動に
- HEAD もっと学ぶ
- HEART 心がどう感じるかに意識を向ける
- HANDS 新たな気づきをアクションに変える
- 消費を変える:体や環境を汚染するものを買わない(例えば、テフロン加工のものを買わない)
- 話題にする:こういうことを会話の話題にする。情報発信する。
- 汚染する産業に働きかける:容認していないことを伝え始める
- 政治に働きかける:行政や政治家に規制を促す
- 経済と政治を変える:お金儲けから、健康で安心できる社会を作ることをボトムラインに変える。どうせ、死んだらみんな財産は手放すんだし。お金持ちになっても、子供たちが絶望して苦しんでいる未来に喜びを感じるのは、難しいでしょう。健全な社会を作れる人類に進化しよう!
- 英語ができる人は、このサイトも役立つと思うGreen That Life
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