AMAZON「これは21世紀の資本主義全体の問題だ」

「結局のところ、最大の問題はCOVID-19への対応の内容ではない。問題は、Amazonが倉庫で働く人間を、出荷作業を行う能力を持つ交換可能なユニットとしてしか扱っていないことだ。これはAmazonだけの話ではない。これは21世紀の資本主義全体の問題だ」とBray氏(AWSのVP)は述べている。

ZDNet Japan AWSのVPで著名エンジニアのティム・ブレイ氏が辞職–アマゾンの従業員解雇に抗議

今日はGreenz.jpの鈴木菜央と社会変革のzine(手作り冊子)作りをオンラインでしていた。3ヶ月くらいで作り上げる予定だったんだけど、もうすぐ一年経ちそう。いいものを創造するには時間がいるね。

そこで、今回僕たちが話し合いながら作ったページがヘレナノーバーグホッジ(「懐かし未来」や「しあわせの経済」の著者)によるグローバリゼーションの問題点について。そこで、この文章が響いた

Our global economic system has become so large and complex – with producers and consumers, CEOs and workers, and cause and effect all far removed from each other – that ethical choices are almost impossible to make, and environmental and human rights disasters have become commonplace.

システムがあまりにも大きくて複雑だから、因果関係がわからなくなる。生産者と消費者、CEOと労働者、因果関係があまりにも遠くなってしまった。それゆえに、エシカルな選択がほぼ不可能になってしまい、環境や人権の大問題が日常茶飯事になってる。

コロナウィルス現象のように、社会と経済システムに大きな負荷がかかると、僕たちの社会がいかに不安定で、僕たちの価値観と大きくズレているかが浮き彫りになる。

例えば、AMAZONの場合
とても安くて、便利で、facebookのようにいろんなコミュニケーションややりとりを可能にしてくれる画期的なプラットフォームだと多くの人が感じていると思う。僕もそう感じているし、使ってしまうことがある(ほぼフェーズアウトしているけど)。

それとともに、アマゾンプライムを支えるのは超過酷な労働(Business Insider)というレポートがあったり、ジェントリフィケーションを悪化させたり(CNN)気候変動(温室ガス排出)へのインパクト(IT media NEWS)も小さくなかったり。

Amazonの社長のジェフベゾスは世界トップのお金持ち。彼の価値は1400億ドル、多くの国より資産がある。彼は資本主義というゲームのいわゆる勝者。でも、これが僕たちが目指したい世界なのかな?いかにお金持ちになるかゲーム。そして、そうでなければ、この現状をどう変えればいいのか?

これはAmazonやジェフベゾスの問題ではなく(責任がないと言っている訳ではない)、経済システム、現代思想の問題がと思う。The system and our consciousness. これをどう変容するかが人類の方向性を決めるんじゃないかな。

難問!解決策のヒントは、Reimaginig Activismやガンジーの氷山の話にある気がする。探究し続けよう!

この記事のきっかけとなったニュース

AWSのVPで著名エンジニアのティム・ブレイ氏が辞職–アマゾンの従業員解雇に抗議

 Amazon Web Services(AWS)のディスティングイッシュドエンジニアであり、バイスプレジデントを務めるTim Bray氏は、新型コロナウイルスが蔓延する中でのAmazonの倉庫における労働条件について公の場で批判した従業員が解雇されたことに抗議して、同社を辞職した。同氏の年間給与は100万ドル(約1億1000万円)を超えているとみられる。

 Bray氏は2014年末にAWSに加わった。それ以前には、「Android」開発者としてGoogleに約4年間在籍したほか、Sun Microsystemsでウェブテクノロジーのディレクターを務めた経歴を持つ。Sunでは、Javaの開発やGPLでのオープンソース化で主要な役割を担っていた。OracleがSunの買収を完了した後間もなくSunを退社した。

 Bray氏はかつてAWSの文化を賞賛していた。そして現在もAWSとそのリーダーシップを高く評価しているが、Amazonの物流倉庫における労働者の安全性を批判した米国の従業員数人が解雇されたことを受け、米国時間5月1日に辞表を提出した。 

 同氏は個人ブログに、「5月1日は、Amazon Web Servicesのバイスプレジデントおよびディスティングイッシュドエンジニアとして過ごした、実りある5年5カ月間の最後の1日だった。私は、Amazonが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を恐れる倉庫勤務の従業員に関して声を上げた内部告発者を解雇したことに失望し、辞職した」と書いている。 

 Amazonは1月にも、解雇をちらつかせて同社で働いている環境活動家を脅迫したとして、大きなニュースになっている。また4月には、米国で新型コロナウイルスが大流行する中、Amazonが数人の従業員を解雇したことがWashington Postによって報じられた(Washington PostのオーナーはAmazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏だ)。解雇されたのは、Amazon Employees for Climate Justice(AECJ、Amazonの従業員で構成される気候変動問題の活動家グループ)に所属しており、倉庫における安全な労働環境や防護手段の強化を要求する活動を行っていた従業員だった。 

 Bray氏自身が述べている通り、同氏は、株主総会でAmazonに気候変動問題に対する行動を求める決議への支持を株主に訴える公開書簡に署名した8702人の中の1人だった。 

 Bray氏は、同氏の「心が折れた」のは、Amazonが4月中旬にEmily Cunningham氏とMaren Costa氏というAECJの2人のリーダーを解雇した時だったと述べている。これは、この2人が新型コロナウイルスに対する倉庫労働者の保護を要求する、社内の請願書の準備を手助けした直後のことだった。 

 この2人は、4月16日に世界中のAmazonの倉庫労働者と著名な社会活動家Naomi Klein氏が登場するビデオ会議を開催した主催者でもあった。 

 「示された解雇理由はお笑い種だった。思慮分別があれば、誰が見ても彼らが内部告発のために解雇されたことは明らかだ」と同氏は述べている。 

 「経営陣は、このイベントに反対することも、部外者を排除するよう要求することも、経営陣の代表者を出席させることを求めることもできたし、他にもできることは多くあった。時間は十分にあった。それなのに、彼らはただ活動家を解雇した」(Bray氏)

 Bray氏は、バイスプレジデントが公の場で騒ぎ立てるわけにはいかないため、適切なチャネルを通じて同氏の懸念を経営陣に諮ったという。その議論の中身は明らかにされていないものの、同氏は、ブログ記事に書かれている内容とほぼ同じことを主張したという。 

 「そのままAmazonのバイスプレジデントにとどまっていれば、自分が軽蔑していた行動を事実上認めることになってしまう。そのため私は辞職した」と同氏は書いている。

 ただしBray氏の考えでは、Amazonは「この問題に最優先に取り組み、倉庫の安全性確保に多大な努力を払っていた」という。

 その一方で同氏は、Amazonが不満を表明した従業員を解雇したことは、現代資本主義の病弊の現れだと述べている。 

 「結局のところ、最大の問題はCOVID-19への対応の内容ではない。問題は、Amazonが倉庫で働く人間を、出荷作業を行う能力を持つ交換可能なユニットとしてしか扱っていないことだ。これはAmazonだけの話ではない。これは21世紀の資本主義全体の問題だ」とBray氏は述べている。 

 一方で同氏は、Amazonや同社の倉庫労働者に対する対応と、高給のエンジニアを雇っているAWSでは事情が異なるとしている。

 Bray氏は個人ブログで、AWSは話が別だとしている。「労働者を人間的に扱っており、ワークライフバランスを追求し、多様性を拡大しようと奮闘しており(そしてその大部分は失敗しているが、それは他の企業でも同じだ)、全体的に見て倫理的な組織だ」とし、「AWSのリーダーシップを心から尊敬している」と述べている。 

AmazonはBray氏の辞職についてのコメントを控えた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。


パーマカルチャーツアーやってるよ。