イラストから理解するパーマカルチャーデザイン(Retrosuburbia編)

パーマカルチャーの特徴は、”relationship”「関係性」として世界を捉えること。それぞれの要素をより活かされる「関係性のデザイン」をするところがパーマカルチャーの面白さ。

全ては全てとつながっていることが見えだすと、ものすごく豊かな世界が現れてくる。残念ながら、僕たちの教育や主流の世界観がものごとを細分化してしまう傾向があって、最初は難しく感じるかもしれない(概念として「全てがつながっている」に納得できても、実際その世界観で世界と接するのが難しい)。

例えば、卵(卵じゃなくても、ビーガン大豆製品でも肉でも、自分が普段食べているものを一つ選んで欲しい)

近所の自然栽培農家棚原さんが育てている鶏の卵

さて、みんなが食べている卵(または、自分が選んだもの)はどこからきたでしょう?
そして、それをあなたの手元までに届けるためには、どんなシステムが必要だったでしょう?

全体像を思い描いてみると視野が広がって面白いよ。

一般的に消費されている卵(または、スーパーで買っているもの)の全体像をPermaculture Designer’s Manualにあるイラストが参考になると思う

一番上は、鉄、石炭、石油、漁船(飼料の原料)から始まる
次が、製鉄所、発電所、石油精製所、化学物質の工場
その次が、殺生物剤工場、化学肥料工場、プラスチック工場
そのまた次が、トラクターで耕す大規模工業農場(8km2)
という感じで、一番最後が鶏工場と卵

卵の下に書いてあるのは
工業的卵(クォリティーは?)

https://www.pinterest.es/pin/255931191298848484/より

こんな巨大で複雑なグローバルシステムが、工業的に生産された卵の裏にある。エネルギー効率もものすごく悪く、コロナ現象でサプライチェーンが妨げられやすく、多額の税金で補助しないと成り立たない、工業製品の実態がこういう世界だったのじゃ〜。スーパーで安く見えるのは税金で補っているかららしい(だったら、生活に困っている市民にあげよう!)。

何よりも鶏と従業員がかわいそう

Another world is possible
もっとシンプルで素敵な世界がある

PHOTO: Irene Kightley/Flickr via Hobby Farms
https://newsfromthecoop.hoovershatchery.com/why-your-kids-need-chickens/より

素敵でしょ
命が大事にされる営み
命の経済

あ〜〜〜たいぶ前置きが長くなってしまった!

さて、本題はイラストから理解するパーマカルチャー
最近、出版されたSuburban(近郊)パーマカルチャーのバイブル的な本Retro Suburbianのイラストを通して、パーマカルチャーの世界を分かち合いたい

これはオススメの本!(まだちゃんと読んでないけど)。パーマカルチャーの創始者の一人、デビッド・ホルムグレンの力作でオンライン版もあるよ!

いつか、日本のこういう本を作りたい!(翻訳本ではなく)

イラストがあると、よりパーマカルチャーの世界観が理解しやすいと思う

GOAT SYSTEM
ヤギのシステム

左上はヤギを利用して雑草のブラックベリーを食べながら開拓した後、木を植えて豊かな生態系に戻すイメージ。

その他、ヤギのニーズ(飼料とか)、ヤギのギフト(ヤギ乳→チーズとか)、それらが他のシステム(果樹園、鶏システムなど)とどう関係しているかをマッピングしている。

COOK STOVE ENERGY CYCLE
調理用の薪ストーブを中心に、熱エネルギーや物質の関係性をマッピングしたもの

左上は木→薪→ストーブの熱→お湯→お風呂・暖房

右下はコンポスト→畑→保存食・料理→生ゴミ・骨・炭・灰→コンポスト

SITE ANALYSIS
パーマカルチャーの基本「サイト(土地)分析」
既存の建築物、道路、地質、夏の太陽、冬の太陽、災害ベクター、季節ごとの風の方向と特徴、水の流れなど

この分析に基づいて、全体像を捉えながら、自分のニーズに基づいてデザインを考える

PERMACULTURE DESIGN CROSS SECTION
パーマカルチャーデザインの断面図

パーマカルチャーは、物質を含めエネルギーの流れを考える
太陽の動き、重力(この図では高低差を表している)、食料(この図ではきのみがなる植物が強調されている)、自然資本など

GREYWATER SYSTEM DESIGN
グレーウォーター(人糞を含めない排水)の流れ

パーマカルチャーデザインでは、より綺麗な状態で資源を「出す」ことが重要。

現代社会の一般的なデザインはゴミや汚染物質を「外」に捨てるけど、パーマカルチャーは逆に再生して、いいものを「外」に出す。これがDegenerativeとRegenerativeの違い。みんながゴミや汚染物質じゃなくて、命を養うものだけ自然や周りに出したら最高だよね。それが、意外と簡単にできるんだよ。しかも、それをデザインするのが創造的で面白い!

左上からお風呂・洗面器・洗濯機→ミミズコンポスト→アシのガーデン→小池→ビワの木

水と生活排水に含まれている「養分」をなるべく徹底的に活かす用にデザインされている。生活排水が徐々にそれぞれの生命に使われながら、浄化されていく。

パーマカルチャー原則「エネルギーの循環」
Catch(集める)Store(ためる)Cycle(循環させる)

PASSIVE SOLAR DESIGN
パッシブソーラーデザイン

夏冬の太陽と家の庇や窓との関係性が重要!
入ってくる冬の太陽光を蓄熱する工夫や、熱が逃げないように屋根を断熱しているところを表している。後は、風の動きとかも。

周りの環境と宇宙(とくに太陽)といい関係性がデザインできると、エアコンとか暖房がなくても心地よく暮らせる。現代社会の住居のほとんどは、残念ながらデザインが悪いからエアコンや暖房がないと心地よく暮らせないよね。

なぜ、こんなにデザインが悪いんだろう?

知り合いのアーティスト/建築家が、大学の建築学科で太陽との関係性について一度も講義がなかったことを言ってた。まじで?!!!

僕たちも、あまり太陽と生活について学校や社会で学ばないよね?これだけ重要な存在なのに。。。僕たちが使っているエネルギーのほとんどは太陽のめぐみ

PERMACULTURE DESIGN
サバーブ(近郊住宅地)の敷地のパーマカルチャー化デザイン
限られた空間でいかに多様な食糧生産ができるかを表している。

PERMACULTURE DESIGN
本のプロジェクトマネージメントを担当したRichard Telfordの家のデザイン。僕も訪れたことがあって、とても素敵で創造的な敷地と改造された家。奥さんは日本人で自宅出産の二人の子供がいる。こういう家で育つ子供はきっと世界観が違うだろうね。

イラストはBrenna Quinlanのもの(Richardの家のデザインだけ、Richardが描いたもの)

素敵だね〜

これからパーマカルチャーを日本でより活かすためには、イラスト(パーマカルチャーのシステムデザインの理解を可視化するもの)、現場(パーマカルチャーを体感できる場)、そして効果的なトレーニングが必要だと感じている。

もっと、魅力的な現場を育みながら、日本の文脈を取り入れた分かりやすいイラストを含めたパーマカルチャーメディアを作っていきたいな。

どうすれば実現できるかな〜

ワクワク